3DS研究所

homebrew・CFW全般

bootromのソース流出について考察

初めに

GBAtempで、3DSのbootromのソースコードが流出したことが発表されました。「そもそもbootromって何だ?」と思った方、少なくないと思います。今回はそれも含めて、今回の件を考察していきます。

bootromとは

bootromとは、3DSの起動プロセスの中で一番最初に起動される部分です。ROM(Read Only Memory)の名の通り、これは読み取り専用で、書き込み不可能です。

sighaxとは

derrek氏が発見した、bootromの脆弱性を利用したエクスプロイトです。これはbootromのRSA検証(署名検証)の脆弱性を利用したもので、ファームウェアに独自の署名を施すことによって、CFWを公式のファームウェアとして認識させることが可能になります。過去に主流であったA9LHは、システム更新によって修正される可能性がありましたが、先述した通りbootromには書き込み不可能なので、システム更新によって修正されることはありません。例として、boot9strapはこのsighaxを利用したブートローダーで、一般的にはこれを使用してLuma3DSを読み込みます。

今回の件の重要性

bootromが書き込み不可能であること、sighaxが既に公開されていることを踏まえると、今回の流出によってなにか新しいことができるようになるということは、基本的に無いように思います。しかし、流出内容によっては、今後何か動きが見られるかもしれません。いずれにせよ、bootromが3DSのいわば心臓部分であり、このソースコードが流出したことの重要性については分かっておいてください。

余談

Wolfvak氏は、今回の件についてこのように述べています。

I think it's worth mentioning these leaks most likely all come from the same source who obtained the files around 2018. It's not that the files are slowly being leaked off Nintendo, it's that they're slowly being let out to the general public.

「2018年に起こった流出と情報源が同じである可能性が高い。任天堂から徐々に流出しているのではなく、徐々に一般公開されているだけなのではないか。」ということです。つまり、今になって一般公開されただけであり、ソースコード自体は既に流出していた、というのがWolfvak氏の見解ですね。
真実は果たして…。今後も進展がありそうです。